Whistle Blower:アーニー・ガンダーセン
FAIREWINDSのアーニー・ガンダーセンが原子力業界の内状を告発したのはもう随分と昔のこと。
彼は「Whistle Blower」…内部告発者/裏切り者…として、これまでの地位と収入の全てと引き換えに、地球の一部としての自分の役割を引き受ける覚悟をした。
自分自身の信念と、人類への愛と、すべての生命への科学者としての責任を抱いて下した彼の決断も、当時の企業や原子力産業会の大きな圧力やコントロールの前には取るに足らない小さなものでしかなかった。
想像以上の困難が彼と彼の家族に降りかかった。
個人的な中傷も数えきれないほどあった。
自尊心も、生活の保障も、それまで大切にしてきた人間関係の一部も失った。
それでも大事なものは一つ残らず残った。
失ったものは多かったけれど。
計り知れないほど手放さねばならなかったけれど。
ある日、郵便受けに一通の封筒が入っていたそうだ。
差出人の名前のないその封筒には500ドルが入っていた。
全ての収入の道を断たれた彼の元に、誰かからの手が差し伸べられた。
その手が彼を救い上げた。
そんな昔話を、優しい微笑みを浮かべながら彼は話してくれた。